中央町19・20番街区 市街地再開発組合事務局 理事長インタビュー

オープンに向け期待が高まる「Li-Ka1920」。エリア全体の再開発や今後について伺いました!

戦後まもなく物資が乏しいころから人々が手を取り合い、少しずつ街として形をなしてきた歴史をもつ鹿児島市中央町。そんな人情の街では今、自分たちの故郷をより良くしようと人々が力を合わせて再開発に取り組んでいる。今回は、再開発を主導する「中央町19・20番街区 市街地再開発組合事務局」の理事長 庵下さんにお話を伺った。

住民らの声を受けて、再始動した再開発

理事長の庵下さん
理事長の庵下さん

――今回の開発の経緯についてお聞かせください。

庵下さん:この地区には「一番街通り」を中心に、「ビル通り」「都通り」「電車通り」と呼ばれるの4つの通りがあります。40数年前に一度、これら4つの通りの再開発事業の計画が立ち上がり、実際に再開発準備組合まで発足されました。ところが、バブルの崩壊とともに再開発のキーとなる企業が破綻し当時の再開発は白紙となってしまいました。

こうした背景がある中でしたが、次第に地元の人たちから「何とかまた、再開発できないものか」という声が集まるようになりました。そこで再度、再開発事業ができる方法を模索してみたところ、通りを中心としたこのエリアはちょうど6つの街区に分かれていることから「できる街区から進めればいいじゃないか」と街区ごとに再開発を計画してみる流れとなり、今回の再開発事業が始まりました。

――最初に再開発されたのはどの街区ですか。

庵下さん:最初に再開発されたのはJR「鹿児島中央」駅から見て南側に位置する『22・23番街区』です。17階建ての建物「アエールタワー」は23番街区が再開発されたときにできたものです。

しかし、『22・23番街区』の開発が先行して進められると、地元の人たちから「駅前の『19・20番街区』から先に進めるべきではないか」という声が寄せられました。というのも、『22・23番街区』は駅から少し奥に進んだ場所に位置し、駅前のロータリーからは手前の建物に遮られて見えませんでした。やはり、鹿児島の玄関口である駅前から整備を進めた方がいいという話になり、今から約15年前、今回の『19・20番街区』の再開発が決まったのです。

「Li-Ka1920」の通路の入り口
「Li-Ka1920」の通路の入り口

駅前に新たなお出かけスポットが誕生!

――「Li-Ka1920(ライカイチキューニーマル)」とはどのような施設ですか。

庵下さん:「Li-Ka1920」は地上24階、地下1階建ての建物で、1階から7階部分までは商業施設です。「Li-Ka1920」というのは商業施設の愛称で、鹿児島県内の皆さんから500点ほどの応募があり、その中から名付けられました。「Li-Ka(ライカ)」という言葉には「来る鹿児島(来鹿)」、もうひとつは「鹿児島を好きになる、好きなこと(ライク鹿児島)」、そして「鹿児島に住みたい(ライフ鹿児島)」という大きく3つの意味が込められています。そこに、「『19・20番街区』も残したいね」という想いも合わせて、「Li-Ka1920(ライカイチキューニーマル)」に決定しました。

ちなみに、「Li-Ka1920」の一階部分には南北に通り抜けられる通路があります。ここはもともと「一番街通り」の商店街とともに発展してきた街なので、その機能を生かすために、あえて「都市計画通路」として残しています。

「Li-Ka1920」の外観(完成イメージ)
「Li-Ka1920」の外観(完成イメージ)

――Li-Ka1920の開業時期はいつ頃を予定されていますか。

庵下さん:建物自体は2021(令和3)年1月30日に竣工しており、今は細々とした手直しをしている段階です。今後の予定としては、商店街の機能(通路)を早く生かしたい、街を活性化させたいとの思いから、4月23日に1階部分の先行オープンが決まっています。2階から7階部分を含めた全体は6月中旬以降にグランドオープンの予定です。

――店舗数やテナントはすでに決まっていますか。

庵下さん:管理会社の「南国プロパティマネジメント」より先行オープンに関してのプレスリリースがありました。対象店舗は1階の「Li-Ka フードテラス」にある11の飲食店と、ドラッグストアやクリニックなどを含めた20店舗です。中には、独特な世界観で話題のベーカリー「ハードブレッドアンティーク」や、大阪のB級グルメ・串カツの専門店として全国展開している「串カツ田中」など、鹿児島初出店の店舗もあります。お昼にはカフェスポットとして、夜には飲み屋街として幅広い方にご利用いただける内容です。

――今後、このような情報はどこで入手できますか。

庵下さん:「南国プロパティマネジメント」が一括して情報発信していくことになります。プレスリリースを含めて、ウェブサイトや広報誌などを通して発信されていくと思いますので、今後も気にかけていただければ幸いです。

地域全体で大きな回遊性を創造する意義

開発の経過を撮影した航空写真前にて
開発の経過を撮影した航空写真前にて

――19・20番街区以外の開発についてはご存知ですか。

庵下さん:「Li-Ka1920」からほど近い南東に位置する『16番街区』では、店舗・オフィス・駐車場の機能がある9階建ての建物が2月1日に竣工となりました。この建物は、『19・20番街区』の附置義務駐車場(一定規模以上の建物を新規に増設する際に整備される義務的な駐車場施設)の役割があります。

当初、『19・20番街区』ではすべての駐車場を街区内だけで賄うという計画もありました。しかし、周辺住民の方や、県警から「ここにはあまり駐車場を持ち込まないで欲しい」と要望があり、『16番街区』に附置義務駐車場の役割をお任せしたわけです。『16番街区』を含めて、各街区に駐車場を設けることで車や人通りを分散させようという狙いです。

また、JR西日本が「鹿児島中央」駅西口にて、近々商業施設の再開発を進める話があるとも耳にしました。駅の東西にそれぞれ商業施設ができることで、駅周辺に人が集まるようになり、街全体がより活性化していくのではと期待しています。

都市機能集約型施設「キラメキテラス」
都市機能集約型施設「キラメキテラス」

また、再開発の話は駅周辺だけではありません。交通局跡地に「キラメキテラス」という施設が開発されていると聞いています。商業施設をはじめ、鹿児島初の外資系ホテル、多機能型医療機関、大規模駐車場などができるようです。そういうところで、駅周辺だけでなく、鹿児島の街全体で大きな回遊性が生まれてくるのではと思います。

――今後のスケジュールについて教えていただけますか。

庵下さん:JR「鹿児島中央」駅と「Li-Ka1920」を繋げる渡り廊下「ペデストリアンデッキ」がすでに完成しています。あとは、「Li-Ka1920」が先行オープンすれば、駅から「Li-Ka1920」へ、「Li-Ka1920」から駅へと直接行き来できるようになり、利便性は格段に良くなるはずです。また、下を通る車と分離されることで、利用者は安心して利用できることでしょう。

駅と繋がる「ペデストリアンデッキ」
駅と繋がる「ペデストリアンデッキ」

そして、「Li-Ka1920」の向かいにある「南国センタービル」の方向に、市電の線路をまたがるようにして新しくデッキを建設中です。1年ほど遅れてにはなりますが、このデッキが完成すれば向かい側にある高速バスの停留所にもアクセスしやすくなると思います。

――今の再開発が完了した後、この先についてはどうですか。

庵下さん:私たちはあくまで19・20番街区にいた地権者の集まりで、この街区の開発のために立ち上がりました。ですので、それ以外の街区の開発となると、また別の方々の話です。ただ、期待はしています。「Li-Ka1920」ができることで街は活性化していくと思いますし、周辺の街区でも「次は私たちが!」と開発を考えるきっかけなるといいですね。

昔ながらの風景と、新しさが混在する街

――JR「鹿児島中央」駅の東口エリアの魅力を教えてください。

庵下さん:まず、JR「鹿児島中央」駅は九州の始発、執着駅であるため、それだけ人が集まりやすい場所です。今回の開発もそうですが、今後も開発は進められて発展していくだろうと思います。

一番街通りの商店街へとつづく通路
一番街通りの商店街へとつづく通路

また、ここはもともと終戦後で物が何もなかった頃に闇市ができて、朝市に発展して、と形成されてきた「庶民の街」です。小さな頃からずっと街を見てきて、ここまで変わったか、というくらいに風景は変わりました。しかし、苦しい時代から人と人とのつながりを大切にして、助け合ってきたのはずっと変わりません。街はこれからも変わると思いますが、そういう人情味のあふれる気質だけは、今後も残していきたいです。

――今後、こちらの街区に来られる方に一言いただけますか。

庵下さん:私は生まれも育ちもこの地区で、とくに一番街の商店街に思い入れがあります。それだけに、いつまでもこの場所には元気でいて欲しいです。そして、「Li-Ka1920」の奥には、まだ昔ながらの商店街が残っています。JR「鹿児島中央」駅に来られた方は、新しくできた「Li-Ka1920」はもちろん、ぜひ商店街にも立ち寄ってみて欲しいです。

再開発組合事務局 理事長 庵下さん
再開発組合事務局 理事長 庵下さん

中央町19・20番街区 市街地再開発組合事務局
理事長 庵下龍馬 様

所在地 :鹿児島市中央町 22-16
電話番号:099-256-2205
URL:https://www.facebook.com/19.20saikaihatu/
※この情報は2021(令和3)年2月時点のものです。