老舗天ぷら屋の味を受け継ぐ

天ぷら 新橋

天ぷら 新橋
天ぷら 新橋

鹿児島市電「武之橋」電停から徒歩約1分、「甲突川」をわたる一歩手前を右に進むと見えるのが「天ぷら 新橋」。1832(天保3年)に東京・新橋で創業した老舗「新橋 橋善」で22年間にわたり修行した松崎隆さん(現オーナーの父)が、橋善が惜しまれつつも閉店した1974(昭和49)年に奥さんの里である鹿児島で始めた天ぷら屋だ。なお今は、亡き隆さんのもとで修行した娘・由美さんが継いでいる。

新橋 別製かき揚げ丼
新橋 別製かき揚げ丼

こちらの名物、と言えば「新橋 別製かき揚げ丼」。直径15cm、厚さ10cmほどの巨大なかき揚げが、ほかほかご飯のうえにどんっ!とのったインパクト大な一品。具はぷりっぷりな鹿児島県産の生タカエビと、ホタテの貝柱。粉はかき混ぜすぎず、手早く具と和えるくらいに。そして、南部鉄でしつらえた天ぷら鍋(かつて、橋善で実際に使われていたもの)の縁にやさしく流し入れたら、火の通りを見極めつつ形を整え、返す。この「返し」と呼ばれる工程がもっとも難しく、お客に提供できる質になるまでには何年もかかるとか。

板前の由美さん
板前の由美さん

そうしてできたかき揚げは、周りはサクサクとしながらも、中はふわっと。その上に、創業以来継ぎ足される甘辛めの丼した(タレ)がかかれば、さらに食欲がそそられさらっといただける。また、「野菜かき揚げ丼」や「天丼」、「天ぷら定食」などのほかの天ぷらメニューも豊富。さらに、少食な方向けに「新橋 別製かき揚げ丼」の小盛りサイズや、子ども向けに海老天がついた「お子様天丼(or 天ぷら)」もあるので、小さな子どものいる家族でも利用しやすいだろう。

板場で見せる職人の顔
板場で見せる職人の顔

平日は主に地元の方で賑わう一方、休日になると遠方から訪れる方も多い。それこそ、かつて橋善に通っていた方が、今もその味を忘れられずにわざわざお越しになることもある。歴史があり、常連さんも多い、と聞くと入りにくいように思われるかもしれないが、上がってみると店内はまさに昔ながらの定食屋の雰囲気なのでぜひ、気軽に「新橋」ののれんをくぐってほしい。

店内は温かな雰囲気
店内は温かな雰囲気

天ぷら 新橋
所在地:鹿児島県鹿児島市下荒田1-18-22 
電話番号:099-253-9739
営業時間:11:30~13:45、17:30~20:30
定休日:水曜日、第1・3・5日曜日
https://www.instagram.com/tenpurashinbas..

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